イベント展示会への出店費用は比較的大きなコストがかかります。出展料が1小間30万円~50万円前後、ブースの装飾費用で60万円から100万円以上、さらに人件費なども合わせると最低でも100万円は必要です。このように大きな費用を投資して出店する展示会は、その費用対効果が求められます。
大半の企業がイベント展示会への出店する目的は、新規の見込み客開拓です。「効果のある展示会」にするためには、ブースに訪れる来場客にいかに自社の商品の魅力を伝えるか、その商品にどのような効果があるのか短時間で端的に表現する必要があります。その理由は、競合ブースの存在です。
イベント展示会は競合も出店しているため、来場客はどの商品が優れいているのか比較しやすい立場にあります(イベント展示会に来場する客のメリットです)。つまり、競合ブースと比較した場合、自社の展示ブースは出展効果を上げる設計、運営体制になっているか、これが出展効果を上げるもっとも重要な課題となります。
この課題を解決方法とし覆面調査があります。環境に関する展示会(イベント)に訪問し、覆面調査が競合するブースを巡り、それぞれを覆面調査しました。覆面調査を利用することで、展示ブースのスタッフや展示品について、来場客の視点で各ブースを評価することで、効果のある展示会だったか競合ブースとの比較で検証が可能です。
イベント展示ブースの運営状況を覆面調査
東京で開催された環境に関する展示会に、覆面調査スタッフ1名が競合するブースを3つ巡回し、8項目について調査しました。調査項目は以下となります。
- レイアウト
- 配置
- 視認性
- 魅力
- 清潔感
- 自発性
- 理解度
- 商品知識
ブースAについて

良かった点:スタッフの接客
- こちらから声をかけると丁寧に案内をしてくれた
- 実際の機械を使って、使用感を試すことができた
悪かった点:展示物の配置
- 展示品のパネルが2cm程度傾いていた
- 展示パネルのテキストの文字が小さく、インパクトがなかった
- スタッフの人数が10名以上居たが、5分経っても自発的な声掛けがなかった
ブースBについて

良かった点:展示物の配置、スタッフの自発的な接客
- 展示品と展示パネルが上手く配置されていた
- ブース内で来場者が分散していて、導線計画がしっかりと設計されていた
- スタッフから元気よく挨拶があり、好感が持てた
- スタッフから「わからないことがあれば、ご説明するので」と自発的な声掛けがあった
- スタッフから自発的な声掛けがあったことで、声を掛けやすい環境だった
- 自社商品の強みを熱心にアピールしてくれた
悪かった点:スタッフの人数
- 他のブースに比べて、イベントスタッフの数が少なかった
ブースCについて

良かった点:展示物の配置
- ブース内に実際の車が置かれており、興奮した
- こちらから声をかけると親切に対応してくれた
- 説明時にこちらの用途を聞き、デメリットまで説明してくれた
悪かった点:スタッフの接客
- ブース内が混雑しており、入りづらい環境だった
- 実車と展示物との距離が近く、特定のコーナーにお客様が密集していた
- スタッフがせわしなく動いていたので、話かけづらかった
- お客様への気配りが欠けていた
出展効果を上げる展示ブース 3つのポイント

イベント展示ブースの覆面調査により、来場客の視点で展示ブースのあり方を検証しました。次の3つが出店効果をあげるのに必要な事項だと思われます。
- 展示物の配置
- 商品の魅力が伝わる展示物
- スタッフの接客
展示物の配置は、展示ブースに訪れたお客様がスムーズに移動しながら展示物を見ることができる導線を考慮していることが重要です。展示ブースの入り口と出口が不明瞭だと、商品案内の流れが混乱するだけななく、展示物の魅力を十分に伝えることができません。
商品の魅力を伝えるには、展示品のパネルが見やすいレイアウト、文字サイズでデザインすることが大切です。インパクトのあるキャッチコピーを多少離れても視認できる文字サイズと配色を心がけることで、商品の魅力を訴求できます。
出展効果を上げるもっとも重要な要素がスタッフの接客です。ブース内が混雑していても、スタッフから自発的な声掛けがあることで、お客様は混雑していても、居心地がいい空間と感じるのかもしれません。。
スタッフの接客次第で、偶然訪れたお客様でも「もっと見たい」「色々聞いてみたい」と見込み度合いが高まります。イベント展示会は出展前に十分な設計と運営方針を固めることで、出展効果を上げ展示会での効果的な集客につながります。